高気密・高断熱は令和のスタンダード|メリット・デメリットを千葉の工務店が解説
新築住宅を検討していると、高気密・高断熱という言葉を目にすることが増えてきました。言葉からなんとなくの意味は分かりますが、目に見えない性能ですから具体的にどんなものか分かりにくいですよね。
今回は高気密・高断熱住宅の構造やメリット、結露やカビの発生率などに関するウワサの真相について解説します。令和時代の家づくりで欠かせない性能の一つですから、必ず建てる前にチェックしましょう。
目次
■そもそも高気密・高断熱の家とは?
■高気密・高断熱住宅のメリット
■高気密・高断熱住宅のデメリット
■高気密・高断熱に関するウワサの真相
■高気密・高断熱住宅の工務店選び
■そもそも高気密・高断熱の家とは?
まずは高気密・高断熱がどんな性能なのかつかんでいきましょう。
・高気密性とは
高気密の家は、一言で表すとすき間がなく余計な空気の出入りがない状態です。
日本の木造軸組工法は構造的に気密性を高めるのが難しかったため、昔の住宅はすき間風が少なくありませんでした。現代の建築技術では、気密テープですき間を埋めたり、すき間の少ないサッシを使ったりして高気密化を実現しています。
・高断熱性とは
高断熱の家は、例えるなら魔法びんのように住まい全体を包み、外気の熱や寒さを遮断する状態です。室温を一定に保ちやすいため、一年中快適に過ごすことができます。
戦後の復興から効率を重視してきた日本の住宅業界は、断熱性が低く冬寒い家が一般的でした。地球温暖化の影響や高齢化によるヒートショック事故の増加などをうけ、最近は断熱性の高い住まいづくり需要が増えています。
・高気密・高断熱はもう「当たり前の性能」
ハイブリッドカー・省エネ家電・太陽光発電など、環境問題の影響を受けてこうした設備は身近なものになっています。冷暖房効率を高めて二酸化炭素の排出を抑える高気密・高断熱住宅も、これからの家づくりでは当たり前の性能になりつつあります。
最近は既存住宅の断熱リフォームなども増えてきています。リフォームだと内装をはがして復旧するため余計な費用が掛かりますので、これから建てるなら必ず気密性能と断熱性能をチェックしましょう。
JUKEBOXの建築事例一覧
■高気密・高断熱住宅のメリット
続いて、高気密・高断熱住宅で暮らすメリットについて見てみましょう。
・冷暖房の効きが良い
外気の影響を受けにくくすき間風が少ない高気密・高断熱住宅は、夏のエアコンや冬の暖房が効きやすいのが最大のメリットです。
室温の変動が少ないため、冷暖房を入れてからすぐ適温になるのもうれしいポイント。少ないパワーで適温を維持できるため、光熱費削減にもつながります。家計にやさしいだけでなく、地球環境にやさしく子供たちの未来を守ることにもなりますね。
寝苦しい夏の熱帯夜もエアコンの設定温度を上げることができるため、冷え過ぎや乾燥を防げるのもgoodポイント。
・健康な暮らしを送りやすい
気密性と断熱性が高いと、家全体を適温に保つことでヒートショック現象などの健康被害を防ぎやすい点もメリットの一つ。
ヒートショックとは暖かい部屋から寒い部屋に移動したときに血圧が変動する現象のことです。急な血圧の変動で血液系に負担がかかり、心筋梗塞や脳梗塞といったトラブルに発展することもあります。冬の入浴時に多く、暖かいリビングと寒い脱衣所、お風呂のお湯の移動で起こります。
家全体が断熱材で覆われていると部屋の温度差が少ないため、ヒートショック現象が発生しにくくなります。
・不快感が少なく快適
お部屋ごとの温度差が少ないと、健康被害の防止だけでなく移動時の不快感が少ないのもうれしいメリットです。冬の寒さはもちろん、夏にエアコンの部屋を出たときのムワっとした空気も少なく快適。精神的な不快感は毎日積み重なると大きな不満につながりかねません。ストレスが少なく、一年中快適に過ごすことができるのは大きなメリットといえるでしょう。
■高気密・高断熱住宅のデメリット
メリットが多い高気密・高断熱住宅ですが、建てる前に把握すべきデメリットもいくつかあります。
・費用が掛かる
当然ですが、一般的な新築住宅より多くの材料と手間がかかるため、費用は若干かかります。しかし冒頭でもお伝えしたように、これからの住まいでは当たりまえの性能になるため、大きなデメリットとは言えないでしょう。
初期コストはかかっても、毎月の光熱費削減効果を考えると最終的にはオトクになる可能性が高いです。
・エアコンの後付けに注意が必要
せっかく気密性を高めた住まいも、エアコンの穴あけに失敗してしまうと大きく性能がダウンしてしまうため要注意。家電量販店でエアコンを購入したときに設置する電気屋さんの中には、高気密住宅であることを理解していない人も居ます。エアコン配管用の穴の気密処理が甘いとすき間風が発生してしまいますので、注意しましょう。あとでエアコンを設置する可能性がある部屋には、新築時にエアコン用の穴を設置してふさいでおくのがおすすめです。
・施工ミスの影響を受けやすい
高気密・高断熱住宅は施工精度が求められるため、腕の悪い職人に当たると設計通りの性能を発揮できないケースがあります。風船に空いたわずかなすき間から空気が漏れてしまうように、気密性能を高めるのは簡単ではありません。断熱性能や気密性能は比較的最近注目されている性能のため、扱いだしたばかりの会社だと施工ミスの可能性も高いです。目に見えない性能ですから、仮に施工ミスがあったとしても後で分からない点もデメリットといえるでしょう。
自由設計・注文住宅の建築事例一覧
■高気密・高断熱に関するウワサの真相
高気密・高断熱住宅に対して、よくある疑問や質問をピックアップしました。
・気密性が高いと息苦しいのでは?
家全体を密封しているようなイメージのある高気密住宅は、中にいるとき息苦しさを感じるのではと心配する方も多いようです。
結論としては、現代の住宅は24時間換気が義務付けられているため特別息苦しいことはありません。
すき間風が少ないため計画的な空気の通り道を作ることができ、効率的にきれいな空気を保てます。窓を閉め切ることが多い夏や冬も、息苦しさを感じることはないでしょう。
・カビが生えやすいってホント?
高気密・高断熱住宅をインターネットで検索すると、カビや結露にかんする不安や疑問がたくさん出てきます。
カビや結露については、施工不良があると発生しやすくなりますが、設計通り仕上がれば問題ありません。
カビの原因となる結露は、室内外の温度差が大きくなると発生します。冷たいコップの外側に水滴がつくのと同じ原理です。施工不良で壁の断熱材にすき間があると室内の空気が入り込み、外気との温度差で結露が発生することがあります。正しい施工ですき間がなければ、外気と室内の空気は影響しあわないため結露やカビが生えやすいことはありません。
・夏場暑くなる?
夏にダウンジャケットやコートを着ている状態をイメージして、余計暑くなりそうだと心配する声も少なくありません。気密性の高い農家のビニールハウスも、中は暑くなるイメージがありますよね。
メリットの項目でもお伝えしましたが、高気密・高断熱住宅は暑い夏も快適に過ごすことができます。
例えば断熱材でできたクーラーボックスにアイスを入れておくと、外が暑くても長時間溶けません。住まいも同じように、外気の影響を減らすことができるため適温をキープできます。
一戸建てより気密性・断熱材が高い鉄筋コンクリートのマンションも、夏場暑いという話は聞きませんよね。気密性・断熱性が高い住まいは、夏場特別暑くなることがありませんので心配不要です。
■高気密・高断熱住宅の工務店選び
上でもお伝えしましたが、高気密・高断熱住宅は施工ミスによる影響を受けやすいため、工務店やハウスメーカー選びがとても重要です。
気密テープはわずかなすき間があるだけでも大きく性能を損なってしまうため、正しく施工しなければいけません。断熱材も、すき間なく充填しないと結露やカビの温床となってしまいます。
施工店を選ぶときは、必ず高気密・高断熱住宅の施工実績や構造についてチェックし、質問してみましょう。ここ数年で高気密・高断熱住宅を扱う会社は増えているため、参入したばかりだと施工ミスのリスクが考えられます。価格やデザインも重要ですが、会社の歴史や技術力もしっかりチェックしてください。
最の建築事例一覧
■まとめ:高気密・高断熱住宅は千葉・茨城のファンズライフホームへ
令和時代のスタンダードといえる高気密・高断熱性能は、これからの住まいづくりで必ずチェックすべきポイント。しっかりこだわって、一年中快適な暮らしを手に入れましょう。施工店の技術力も重要ですから、必ず取り扱い実績のある会社を選びましょう。
ハウジング重兵衛グループとして創業120年の歴史を持つファンズライフホームは、長年培った技術力で正確な家づくりを基本とします。温度差が少ない快適な住まいづくりもお任せください。
千葉に二カ所、平屋と二階建ての自社モデルハウスもご用意しています。夏や冬の温度感や過ごしやすさなどもぜひご体感ください。スタッフ一同お待ちしております。
ハウジング重兵衛 編集部のプロフィール
新築を中心とした住宅業界
免許登録
・一級建築士事務所 登録番号 第1-2004-7311号
・国土交通大臣 許可(般-5)第25003号
・宅地建物取引番号(5)第13807号
資格情報
・一級建築士
・二級建築士
・インテリアコーディネーター