新宿LIXILショールーム内に併設された「LIXIL 住まいスタジオ」の入口です。奥に扉があり、その中は温度差を確実に体感出来るように室内の温度管理がしっかりとされています。当社スタッフが入ると奥の扉が閉まり、ご案内担当のアドバイザーの方と一緒に各ブースをめぐる構造になっています。
最初は着座して3分ほどの動画で、各ブースの簡単な説明と触れてはいけない場所などの注意事項を聞きます。室内はサーモグラフィのモニターが設置されていて、実際に中に入った人達の体温を感知する仕組みとなっています。
最初は昔の家から。設定基準は昭和55年(1980年)。LIXILスタジオに訪れたのが2020年2月でしたので、その時点から40年前を想定した家の作りを再現していて、当時の「省エネルギー基準」による住宅をを体感できます。
入った部屋はリビングを想定した間取り。大きな掃き出し窓とエアコン、フローリングと、洋間を再現しています。まだ1つめのブースですが、アドバイザーの方の説明によると今居る昔の家では掛かっているカーテンが厚く、そのカーテンの力も借りて断熱効果を上げようという工夫をして暮らしている家族を再現しています。
入った部屋はモダンな洋間でしたが、パネルの説明のイラストの方が当時の実際の家をより忠実に再現しています。こたつにストーブ、お子様達も背中が丸まり寒そうですね。昭和55年(1980年)、当時まだエアコンは一般的ではありませんでした。筆者の学生時代はまさにこのような時代。当社スタッフからも、「私の家もこうだった」という話が出ていました。
「スリッパを脱いでフローリングに座ってみてください」というアドバイザーの方のお声がけで、ストッキングやくつ下でフローリングに。口々に「冷たいね」という声が。床がひんやりとします。また、立っていた時はエアコンの風で暖かかったのですが座ってみると暖かい空気が循環しておらず、更に冷たく感じました。
部屋のあちこちを触って体感すると、窓ガラスの冷たさが特に強く感じます。実家暮らしの際、筆者の家でも外との気温差で冬になると結露が良く発生していたのを思い出しました。
設置されているサーモグラフィの画像がこちら。ご覧のように、それぞれのスタッフの上半身はオレンジや赤い色で暖かい事を表していますが、足元に注目すると温度が低いグリーンに変化しています。やはり、足元まで暖房効果が循環しておらず冷えている事がこの画像からも判ります。年間の暖房費はこの部屋の基準で計算すると28,000円。
昔の家で一般的だった断熱性を表す図です。当時の「省エネ基準」を満たすアルミサッシの単板ガラスや天井、床のグラスウールによる断熱材が施されています。
先ほど居たリビングからドアを開けて続く廊下を再現した場所に全員移動しました。部屋から出るなり、口々に「寒い、寒い」という声が上がります。暖かい部屋から暖房の無い廊下やトイレへ行くのが億劫になるほどの温度差です。実際に当社のお客様でも、築30年経過したお風呂場が冷たくて嫌だから…という理由でリフォームの依頼をされる方が多くおられるのも納得です。
「ヒートショック」について説明しているパネルです。冬場のトイレや浴室・脱衣所で感じる急な温度差が体へのストレスとなり血圧の急上昇などの負担を生み、心筋梗塞などを引き起こす要因となります。この現象をヒートショックと呼び、一般的には温度差が5度以上あるとヒートショックのリスクが高まると言われており、近年注意喚起さているキーワードです。