【間取り図あり】40坪・50坪の二世帯住宅実例|完全分離・部分共有の坪数別間取りシミュレーション
二世帯住宅の間取りは、完全分離や部分共有など複数のパターンがありますよね、でも、実際に自分たちにどの間取りが合っているのか?分からない人も多いのではないでしょうか。今回は、二世帯住宅の間取りを、家族構成やライフスタイル、そして家を建てる土地の坪数や条件からシミュレーションしてみたいと思います。
二世帯住宅の建築実例も間取り図付きで紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
■40坪~50坪の二世帯住宅の間取り実例
■完全分離型二世帯住宅の坪数別間取りのポイント
①50坪の完全分離型二世帯住宅の間取りシミュレーション例
②45坪の完全分離型二世帯住宅の間取りシミュレーション例
・完全分離型の間取りの注意点と対策
■部分共有(玄関共有)・完全共有型の坪数別間取りのポイント
①40坪の部分共有型の二世帯住宅の間取りシミュレーション例
②50坪の完全共有型の二世帯住宅の間取りシミュレーション例
・共有型二世帯住宅の注意点と対策
■まとめ|二世帯住宅は完全分離・部分共有・完全共有それぞれの特徴と家族のライフスタイルを考慮して間取りを決めよう
■40坪~50坪の二世帯住宅の間取り実例
・2階建て50坪・5LDK 家族構成:夫婦、子供2人、母
成田市のご夫婦+お子さま2人、お母様の5人家族の二世帯住宅の間取り図です。玄関やLDKは共有とし、寝室を1階の親世帯、2階の子世帯と分けた間取りです。お母様の寝室は浴室、トイレが近くて動線が良いほか、大きめのクローゼットもついていて収納力もあります。LDKは吹き抜けになっており、2階にいるお子さまたちに声もかけやすく、コミュニケーションがしやすい間取りです。
玄関ホールからは和室に直通の扉があり、和室のリビング側の扉を閉めれば、LDKを通さずにそれぞれのお客様を招くことができます。リビング和室をうまく使ってそれぞれのライフスタイルに配慮した間取りです。
・平屋 46坪 家族構成:ご夫婦+お子様1人+お母様
神栖市の完全共有型の平屋の二世帯住宅です。内装は木の温もりを感じるナチュラルテイスト。平屋の良さを活かして生活動線の良い間取りになっています。
LDKはスライドドアでリビングとダイニングキッチンを仕切ることができます。リビング側にもドアがあるので、仕切られた状態でもそれぞれのスペースへの出入りができます。両世帯が気兼ねなくくつろぎや団らんの時間を過ごすことができる工夫です。
お風呂やトイレは広さを十分に取り、段差のないバリアフリー仕様で、どの世代にも使いやすい工夫がなされています。
・2階建て44.43坪 ご夫婦+お子様1人+ご両親
潮来市の2階建て和風の二世帯住宅の事例です。無垢材をふんだんに使用し、お子さまにもご両親にもやさしい家になりました。
印象的な杉の丸太柱が家のシンボルに。いつも家族を見守ってくれるような、長く愛せる家になるよう思いが込められています。
2階は勾配天井を採用して、天井高をアップし広々とした空間をつくりました。リビング階段+吹き抜けとの相性も良い間取りです。2階のホールもお子さまの遊び場になります。
・2階建て52.99坪 家族構成:ご夫婦+お子様2人+ご両親
植栽や周辺環境とマッチした和モダンテイストの成田市の二世帯住宅。みんなが集まる明るい和室が家の中心です。5人家族が余裕を持って住まえる個室の確保とともに、農作業ができるウッドデッキとお庭など、それぞれの時間を充実して過ごせる工夫がされています。
浴室は木を使った和テイストのユニットバスを採用。リラックスしてバスタイムを楽しめます。
・2階建て51.25坪 家族構成:夫婦+お母様
旭市の部分2階建ての二世帯住宅の実例です。1階建ての部分はお母様、2階建て部分はご夫婦と間取りが分けられており、内装も和テイストとモダンテイストに分かれています。
リビングにはサンルームや中庭のように使える土間スペースを設けました。第2のリビングとして、外の光や風を感じながらくつろぐことができる癒しの空間です。
■完全分離型二世帯住宅の坪数別間取りのポイント
次に、完全分離型の二世帯住宅の間取りを具体的にシミュレーションした間取り例をご紹介します。完全分離型は、玄関や水周りも含め全てが2世帯分必要なので、子世帯3~4人、親世帯1~2人の4~6人家族なら45坪~50坪あれば余裕を持って住める間取りになります。
具体的なおすすめプランを解説します。
①50坪の完全分離型二世帯住宅の間取りシミュレーション例
・平屋の左右分離型(3~4LDK+1~2LDK・完全分離)
完全分離型で、50坪程度の延べ床面積で土地に余裕がある場合は、平屋の左右分離型の二世帯住宅がおすすめです。平屋は階段を使わないため、親世帯の暮らしに負担が少ないほか、2階からの振動や音の問題も気にする必要がないので、生活パターンが違ってもお互いの世帯に影響が少ないのがメリットです。土地に余裕があるならぜひおすすめしたいプランです。
50坪の平屋を二世帯で分ける場合、両世帯の人数にもよりますが
A. 夫婦+子ども2人+母親(片親)で子世帯35坪・親世帯15坪
B. 夫婦+子ども1~2人+両親で子世帯30坪・親世帯20坪
このような間取りの分け方になることが多くなります。
Aの場合、子世帯の35坪の子世帯は20畳程度のLDKと8畳の寝室、6畳の洋室(子ども部屋)が2つ、6畳の和室が1つ+で4人家族でも余裕のある4LDKの間取りを実現することができます。
15坪の親世帯は13~15畳程度のLDKに6~8畳の寝室が1部屋の1LDKが目安です。
Bの場合は、子世帯が30坪の3LDK、親世帯が20坪2LDKを目安にするとよいでしょう。
・部分2階建ての左右分離型(3~4LDK+1~2LDK・完全分離)
左右完全分離型の場合は、平屋以外にも、親世帯1階建て+子世帯2階建てを合わせた部分2階建てもおすすめです。親世帯は平屋の間取りで住むことができ、子世帯は土地を有効活用して居住面積を確保することができます。
A. 夫婦+子ども2人+母親(片親)子世帯35坪・親世帯15坪
B. 夫婦+子ども1人+両親 子世帯30坪・親世帯20坪
部分2階建ての場合も、上記の2つのプランがバランスが良いですが、子世帯に階段があるため、その分面積が平屋よりも少なくなります。階段に必要な面積は2畳~2畳半(1坪~1.25坪)です。両世帯の希望や生活スタイルに合わせて微調整して、どちらかが窮屈とならないよう配慮すると良いですね。
②45坪の完全分離型二世帯住宅の間取りシミュレーション例
次に、45坪程度の完全分離型二世帯住宅のプランをシミュレーションしてみます。
・3階建ての上下分離型(3~4LDK+1~2LDK・完全分離)
45坪程度で完全分離型の二世帯住宅を建てる場合、前述の平屋や部分2階建ての他に「3階建ての上下分離型」もおすすめのプランになります。
完全分離型の3階建ては、1階が親世帯、2~3階が子世帯と、両世帯に必要な面積をバランスよく配分できるのがメリットです。ただし、親世帯と子世帯の人数によっては、部分2階建てや総二階が良い場合もありますので、それぞれの家族構成に応じて検討してみてください。
今回は、
A. 夫婦+子ども1人+両親 子世帯28坪・親世帯14坪
B. 夫婦+子ども2人+母親(片親) 子世帯30坪・親世帯12坪
このような家族構成で、3階建ての完全分離型二世帯住宅の間取りをシミュレーションしてみます。
Aの場合は、1Fが親世帯で13~15畳程度のLDK+6~8畳の寝室が1部屋の1LDKが目安となります。個室を増やして2LDKとしたい場合はLDKを少し小さくして、4.5~5.5畳程度の個室2部屋とするなどの方法があります。逆に、LDKと寝室を仕切らずにワンフロアとする間取りも可能です。
親世帯部分の間取りは、ご両親が普段どのように過ごしているかによって変わってきますので、現在ご一緒に住んでいる場合は普段の生活スタイルを気に留めて、お風呂やトイレをバリアフリー仕様にするなど将来の備えもしつつ、できるだけ今のスタイルが変わらないような間取りにするとよいでしょう。現在別居していて、新居で同居を始める場合は、できるだけ希望をヒアリングして間取りに取り入れられると良いですね。
2~3階の28坪の子世帯は、15~20畳程度のLDKと6~8畳の寝室、6畳の子ども部屋、6畳の和室や書斎が1部屋の3LDKが間取りの目安になります。
・完全分離型の間取りの注意点と対策
完全分離型の間取りで気をつけたいポイントを紹介します。
・個室の狭さ
【解決策】収納をまとめる・多目的に部屋を使う・子ども部屋二段ベッド活用など
完全分離型にする場合、玄関や水周り、LDKなど全てが2世帯分必要なので、個室が狭くなりがちです。
限られた面積の完全分離型で余裕のある住まいにしたい場合は、
・それぞれの部屋のクローゼットや押入れを最小限にして、家族の衣類や雑貨をまとめて収納できる大容量のクローゼット(ファミリークローゼット)を1ヶ所つくる
・寝室を最小限にして、テレワークや宿題など多用途に使えるワークスペースをリビングや2階ホールに設ける
・子ども部屋の仕切りに二段ベッドを活用する
などの方法があります。
・上下分離型の生活音の問題
【解決策】子世帯の子ども部屋や水周りの配置に気をつける
2階建て、3階建ての上下分離型の二世帯住宅の場合、1階の親世帯に配慮して、音が伝わりにくいような間取りの工夫をするとお互いに住みやすくなります。
1階の親世帯の寝室やリビングの上に子供部屋や水周りが来ると、生活音が気になる場合があります。親世帯と子世帯の水周りの位置は、上下で重なるような間取りがベストです。床や天井も音が伝わりにくい材料を使用するなどの工夫をしましょう。
■部分共有・完全共有型の坪数別間取りのポイント
次に、部分共有、完全共有型の二世帯住宅のおすすめ間取りを紹介します。共有型は、玄関やLDK、水周りなどを共有するためその分お部屋や収納などを広く取れるメリットがあります。
①40坪の部分共有型の二世帯住宅の間取りシミュレーション例
・3階建ての玄関・LDK共有(4~5LDK)
40坪程の二世帯住宅なら、夫婦+子ども1~2人+両親の5人家族で3階建て玄関・LDK共有の4~5LDKの間取りも実現できます。狭小地で条件が合えば3階建てを検討してみるのもおすすめです。子世帯が2,3階で26坪の3LDK、親世帯が1階で14坪の1~2LDKのイメージです。玄関とLDKが共有なので、食事や団らんなど普段の生活でコミュニケーションがたくさん取れる間取りになります。浴室、トイレなどの水周りを分離することで、生活リズムが異なる世帯同士でもストレスなく住まうことができるのも魅力です。
・2階建てのデッキ共有(3~4LDK)
40坪で玄関やLDK・水回りは別々でも、どこかに世帯同士の繋がりがある間取りにしたい場合は、2階建てで「デッキで両世帯をつなぐ」間取りもオススメです。
40坪でデッキ部分以外を分離するなら、夫婦+子ども1人+母親(または両親)の4~5人家族が目安です。この場合は部分2階建てや2階建てで1階の半分を親世帯、1階の残り半分+2階を子世帯とする間取りが一般的です。
お互いの世帯のリビングからアクセスできるデッキスペースを設けることで、デッキで親世帯と子世帯がイベントを一緒に楽しむことができます。親世帯がデッキで遊ぶお孫さんの様子を見守ることもでき、適度な距離感を保ちながらも存在を感じられるような生活ができますよ。
②50坪の完全共有型の二世帯住宅の間取りシミュレーション例
延べ床面積が50坪程度で、お子さんが3人以上でどちらかのご両親2人と同居する場合は完全共有型の二世帯住宅が余裕を持って住める間取りになります。玄関・LDK・水周りなど全てを共有にして、それぞれの世帯の個室など必要な部屋を確保します。
・共有型二世帯住宅の注意点と対策
共有型の間取りで気をつけたいポイントを紹介します。
・お互いのプライバシー確保
【解決策】事前に十分な意見のすり合わせを行う
特に完全共有型で親世帯と子世帯が新たに同居をする場合に気をつけたいポイントです。これまでお互いに別々の生活スタイルだった世帯同士の同居になるため、両世帯の希望を十分に把握した上で間取りを決めることが大切になります。
間取りを決める前にヒアリングを行ったり、現在の親世帯の住まいを訪れて普段の生活の様子を掴んでおくと間取りもスムーズになります。
■まとめ|二世帯住宅は完全分離・部分共有・完全共有それぞれの特徴と家族のライフスタイルを考慮して間取りを決めよう
今回は40~50坪程度の二世帯住宅の間取りや家族構成のシミュレーション例を解説しました。家を建てる土地の条件によっても、建てられる二世帯住宅は変わってきますので、土地探しからする場合は家を建てる工務店やハウスメーカーと相談しながら土地を選ぶのがベストです。
新しい住まいでどんな風に過ごしたいか、親世帯と子世帯がどんな風に関わって過ごしていきたいか、お互いの希望をきちんと話し合っておくことが大切です。
土地を検討中の方や、すでに土地をお持ちの場合も、その土地でどんな二世帯住宅が建てられるのか、様々なパターン・プランを提案できる自由設計の注文住宅がおすすめです。
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ハウジング重兵衛 編集部のプロフィール
新築を中心とした住宅業界
免許登録
・一級建築士事務所 登録番号 第1-2004-7311号
・国土交通大臣 許可(般-5)第25003号
・宅地建物取引番号(5)第13807号
資格情報
・一級建築士
・二級建築士
・インテリアコーディネーター